観光や留学、移住先としてタイに興味はあるものの、「タイがどんな国なのか」と聞かれると、はっきりと答えられないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、タイの特徴や文化、生活の様子、物価など、タイについて知っておきたい基本的な情報を解説します。
また、タイで生活する上で気をつけたいことも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
タイってどんな国?知っておきたい基本情報
タイは東南アジアにある国で、日本から飛行機で6~7時間程度と近い距離にあるため、観光や留学、移住先としても人気があります。
まずは、タイの基本情報について解説します。
タイの場所
タイは東南アジアの中心部に位置する国で、カンボジア、マレーシア、ミャンマー(ビルマ)、ラオスの4ヶ国と国境を接しています。
タイの国土面積は約51万4,000平方キロメートルと広く、日本の約1.4倍もあります。
タイの首都
タイの首都はバンコクです。
バンコクの正式名称は非常に長く、「Krung Thep Maha Nakhon Amone Ratchasna Koshin Mahintara Yuttayama Hardy Rock Pop Nopparat Rarchastany Bryrom Udomra Chaniwait Maha Saturn Amone Piman Awatan Satit Sakka Tattiya Wisanukam Prasit(クルンテープ・マハナコーン・アモーン・ラッタナ・コーシン・マヒンタラー・ユッタヤーマ・ハーディ・ロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニー・ブリーロム・ウドムラー・チャニウェート・マハー・サターン・アモーン・ピマーン・アワターン・サティット・サッカタッティヤ・ウィサヌカムプラシット)」ですが、>現地では「クルンテープ」という通称で呼ばれています。
タイの気候
タイは熱帯性モンスーン気候の国で、平均気温は年間を通して30℃前後あります。
タイには日本のようなはっきりした四季がなく、雨がほとんど降らない11月~2月は「乾季」、気温が高くて暑い3月~5月は「暑季」、雨が多い6月~10月は「雨季」と呼ばれています。
バンコクの気温や降水量、天気などを詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
タイの人口
タイ内務省による発表では、2023年12月の時点でタイの人口は約6,605万人とされています。
そのうちの85%がタイ族、10%が中華系、他にはインド系やマレー系、モーン・クメール系、ラオス系などが暮らしています。
また、山岳部には少数民族が暮らしていて、それぞれの文化や言語で生活をしています。
タイの公用語
タイの公用語は、タイ語です。
地方によって日常会話に方言があり、山岳部に住む少数民族では、独自の言語が広がっています。
観光地やホテルでは英語によるコミュニケーションができますが、屋台や飲食店などでは、ごく簡単な英話でのやり取りしかできません。
タイの通貨
タイで主に使われているお金の通貨は、バーツ(Baht、THB)です。
1,000バーツ、500バーツ、100バーツ、50バーツ、20バーツの5種類の紙幣があり、10バーツ、5バーツ、2バーツ、1バーツの4種類の硬貨があります。
また、タイにはサタン(Satang)という補助通貨があり、1バーツ=100サタンです。サタンには、50サタン、25サタンの2種類の硬貨があります。
タイのお金である1バーツは、2024年12月現在の平均レートで4.61円です。
1バーツは年々上昇傾向にあります。
タイのお金事情について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
タイの祝日
日本では毎年同じ日付や曜日で祝日が定められていますが、タイでは毎年祝日の日付が変わります。
なぜなら、タイでは太陰暦に基づいて制定される仏教由来の祝日が多いからです。
また、タイの祝日は日本の祝日よりも多く、一般企業のみが休みとなる日や官公庁のみが休みとなる日もあります。
なかには禁酒日にあたる祝日があり、タイ国内の飲食店でお酒の購入や飲酒ができなくなります`。
タイの祝日について詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
タイの文化・生活の様子は?
タイがどんな国なのかを知るためには、文化や生活の様子を知ることも大切です。
ここからは、タイの服装や食文化、交通事情など、現地の生活についてより詳しく紹介します。
タイの服装
一年を通して温暖な気候のタイでは、基本的に半袖やノースリーブなどの夏服で過ごすことができます。
ただし、冷房が激しい施設も多いので、体温調節ができるカーディガンなどの長袖を用意しておきましょう。
また、サンダルや肌の露出が多い服装がNGなど、タイには日本とは異なる服装マナーが存在しています。
寺院やルーフトップバーなどを訪れる際は、特に服装への配慮が必要です。
タイでの服装のマナーや注意点を詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
タイの食文化
南北に細長いタイの食文化は、地域によって異なります。
北部ではマイルドな味の料理が好まれるのに対し、東北部は濃く辛い味、南部ではスパイスを使った辛い味の料理が多くなります。
また、タイでは首都バンコクを中心にたくさんの市場があり、魚介類やフルーツをはじめ、さまざまな物が売られています。
夜に賑わうナイトマーケットには屋台も立ち並び、外食文化のあるタイでは、食事を屋台で済ませる人も多くいます。
駐在員の生活を支える日本の食材や高級レストランも豊富にあり、多様な食生活を送れるのが特徴です。
タイの食文化をより詳しく知りたい方は、バンコクの人気屋台スポットやおすすめのタイ料理を紹介している以下の記事を参考にしてください。
タイの交通事情
タイにも日本と同じく、鉄道やタクシー、バスなどの公共交通機関があります。
ただし、日本に比べると交通事情が良いとは言えず、交通渋滞も多いです。
そのため、タイでは渋滞を避けながら移動ができる小回りの利く乗り物を利用する人が多く、バイクタクシーやミニバス、トゥクトゥクなど、日本にはない交通手段があります。
また、バンコク中心部では高架鉄道(BTS)と地下鉄(MRT)が整備されており、駐在員の日常の移動や通勤を支える重要な交通手段です。
タイの詳しい交通事情を知りたいという方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
タイの住居事情
タイで住居を借りる場合、「コンドミニアム」「アパート」「サービスアパート」の3種類の物件タイプから選ぶのが一般的です。
同じ家賃で日本よりも広めの物件を借りることができ、メイドさんに家事をお願いすることも可能です。
また、タイの賃貸物件は家具が備え付けであることが一般的で、入居してすぐに新生活をスタートできるというメリットがあります。
タイでの住居事情について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
タイの病院事情
タイ・バンコクの国立・私立病院は、日本の医療水準と比べても遜色ありません。
なかには、日本の医学部を卒業した医師や日本語通訳が常駐している機関もあります。
タイ語ができなくても日本語でコミュニケーションをとれるため、安心して治療を受けられるでしょう。
タイの病院事情について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
タイの宗教事情
タイは仏教の国として知られており、約95%の国民が仏教を信仰しています。
街中には黄金の仏塔や美しい寺院が点在し、僧侶に寄付をしたり食べ物を渡したり、日常生活に信仰心が深く根付いているのが特徴です。
日本の仏教が、大衆の救済を目指す大乗仏教なのに対し、タイは個人の悟りを重視する上座部仏教を信仰しているという違いがあります。
信仰心が強いタイでは宗教行事も多く、特にソンクラーン(水掛け祭り)やロイクラトン(灯篭流し)は観光客にも人気です。
タイの学校生活
タイの学校では、共用語であるタイ語を基本とした授業が行われ、一部の学校では英語や中国語などの外国語教育が導入されています。
教育制度は日本と同じく6・3・3・4年制ですが、タイでは2学期制が採用されており、前期は5月中旬〜10月中旬頃、後期は11月上旬〜翌3月中旬頃です。
学校生活にはタイならではのものもあり、仏教に基づく授業や、ボーイスカウト・ガールスカウト活動が積極的に取り入れられています。
また、部活動は放課後ではなく授業の一部として行われ、スポーツ系や文化系など幅広い選択肢があります。
教育費に関しては2009年に「15年間教育無償化制度」という公立学校を対象とした無償化政策が始まったものの、全ての費用が賄えるわけではないため、一部は自己負担となっているのが現状です。
タイの学校生活についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
タイの物価・生活の費用は?
タイは、日本に比べて物価が安いため、移住先としてとても人気の高い国です。
都市部と地方では物価の差があるものの、全体的に食費・交通費・光熱費などは日本よりも低めで、住みやすい環境が整っています。
ここでは、タイの物価や月々の生活費の目安について詳しく解説していきましょう。
タイの物価
タイの物価は、日本の物価に比べると非常に安いですが、都市圏の物価は上昇傾向にあります。
以下に、代表的な商品やサービスの価格を示していますのでご確認ください。
| 商品・サービス | 価格の目安(タイバーツ) | 価格の目安(日本円) |
|---|---|---|
| 屋台での食事 | 60〜80バーツ | 280〜370円 |
| 500mlの水 | 8バーツ | 36円 |
| 5kgの米 | 200バーツ | 920円 |
| タクシーの初乗り | 35〜40バーツ | 160〜180円 |
| 地下鉄(1区間) | 15バーツ | 70円 |
上記の価格を参考にすると、タイでの生活が比較的安価であることがよくお分かりいただけるのではないでしょうか?
特に外食が安く、タイならではの屋台料理を楽しみながら生活費を抑えることができるのは魅力的です。
また、交通費や日用品の価格も日本に比べて格段に安いため、物価面では非常に有利な環境と言えるでしょう。
1ヶ月にかかる生活費の目安
タイでの生活費は、住んでいるエリアや生活スタイルに大きく影響されます。
例えば、バンコクのような大都市では生活費が少し高くなる傾向がありますが、郊外や地方都市に住む場合はかなり抑えられるでしょう。
以下に、一般的な生活費の目安をまとめました。
| 項目 | 生活費の目安(バンコク) | 生活費の目安(郊外・地方) |
|---|---|---|
| 家賃(1LDK・コンドミニアム) | 10,000~30,000バーツ | 6,000~12,000バーツ |
| 食費(外食中心) | 8,000~12,000バーツ | 6,000~8,000バーツ |
| 光熱通信費(電気・水道・インターネット) | 2,500~4,000バーツ | 2,000~3,000バーツ |
| 交通費(電車・バス・タクシー) | 1,000〜2,000 | 500~1,000バーツ |
| その他(娯楽・雑費) | 3,000~5,000バーツ | 2,000~3,000バーツ |
上記を合計すると、バンコクでの月々の生活費は約25,000~50,000バーツ(約10万~20万円)程度が目安です。
一方、郊外や地方都市では、生活費を約15,000~25,000バーツ(約6万~10万円)程度に抑えることができます。
どちらにしても、タイは日本に比べて物価が安く、特に食費や交通費を節約しながら快適で理想的な生活を送ることができるでしょう。
タイでの生活で気をつけたいこと
魅力に溢れるタイでの生活は、異文化を体験できる貴重な機会ですが、いくつか気をつけておかなければなりません。
特に文化や習慣の違いから生じるトラブルや、生活における注意点については事前に理解しておくようにしましょう。
ここでは、タイで快適に生活するために気をつけたいポイントをいくつかご紹介します。
礼儀やマナーを守る
先ほど、タイの宗教事情についてお伝えしたとおり、信仰心の強いタイでは礼儀やマナーが非常に重視されています。
例えば、仏像や僧侶に対する敬意は欠かせません。
都市部でも托鉢をしている僧侶の姿をよく見かけますし、公共交通機関には僧侶専用の座席があったりもします。
また、僧侶は女性に触れることを禁じられているので、僧侶を見かけたら敬意を示す意味も込めて、一歩距離を取るのが良いでしょう。
さらに、タイでは頭は神聖な部分とされているため、他人の頭に触れたり頭を指で指すことは避けてください。
食文化に注意する
タイは食文化が豊かで美味しい料理がたくさんありますが、日本人にとっては辛すぎたり油っこいと感じることもあるでしょう。
また、屋台での食事は安くて美味しいですが、衛生面には注意が必要です。
国外の人もよく利用するような信頼できる屋台やレストランを選ぶことが重要で、特に水の衛生状態には気をつけ、ボトルウォーターを飲むようにしましょう。
天候や自然災害に備える
タイは熱帯性モンスーン気候の国なので、1年を通して暑い日が続きます。
特に3月から5月にかけては非常に暑くなり、体調管理に注意が必要です。
また、タイは雨季(6月~10月)と乾季(11月~2月)がありますが、特に雨季は大雨や洪水が発生しやすいため、天候に注意を払うようにしましょう。
定期的に天気予報を確認し、大雨や洪水に備えておくことが重要です。
金銭感覚の違いを知る
タイと日本では金銭感覚に大きな違いがあります。
タイの物価は日本の約3分の1で、ミネラルウォーターや食事も非常に低価格ですが、だからこそ金銭感覚が狂いやすいです。
特に、タイの最も大きい単位である1,000バーツは約4,600円に相当し、慣れるまで実際の金銭感覚を掴むのが難しい場合もあります。
タイの人々とは生活レベルや金銭感覚が異なるため、その違いをきちんと理解した上でタイの人々と向き合うようにしましょう。
また、同じ日本人のほか、タイ以外の国の人が日本語や英語を使って甘い言葉で近づいてくることがあるため、詐欺などのリスクにも警戒が必要です。
駐在員としてタイへ行く前に準備すべきこと
駐在員や長期移住を予定している方にとって、渡航前の準備はスムーズな現地生活のスタートに直結するものです。
ここでは、特に重要な事前準備について解説します。
住居の手配(賃貸の生活)
多くの駐在員は、渡航前に現地エージェントを介して物件を選定しています。バンコクの駐在員向けコンドミニアムやサービスアパートは人気が高く、特に日本人街として知られるスクンビット地区周辺は競争率が高いです。
写真やオンライン内見だけでなく、信頼できるエージェントを通じて、セキュリティや設備(ジム、プール)が充実している物件を選定しましょう。
タイの物件は、契約手続きに時間がかかる場合もあるため、早めに取り掛かることが大切です。
ビザの申請
タイで働く駐在員は「非イミグラントB(ビジネス)ビザ」を取得する必要があります。これは日本国内のタイ大使館または総領事館で申請するのが一般的です。
必要書類には雇用契約書や会社の登記書類などが含まれ、手続きには数週間かかる場合があるため、現地でスムーズに仕事と生活を始めるためにも、出発の数ヶ月前から準備を始めましょう。
タイでの「生活」トラブルに備えた心構え
日本とは異なるタイの生活環境に適応するために、事前に心構えをしておくことも大切です。
知っておくだけで対応しやすくなるので解説していきます。
言葉の壁への対応
バンコクのビジネスエリアでは英語が通じますが、日常の買い物やタクシーの運転手とのやり取りでは、タイ語が中心になります。
簡単な挨拶や数字、道案内のタイ語を覚えておくだけで、現地での生活のストレスが大きく軽減されるでしょう。これはタイの文化に溶け込むための第一歩でもあります。
医療保険の確認と選定
タイの医療水準は高いものの、私立病院での診察費は非常に高額になる傾向があります。
駐在員として加入する海外旅行傷害保険や医療保険の内容を事前に確認し、万が一の事態に備えて十分な補償範囲を確保することが重要です。
この手続きも、タイへ渡る前に済ませておくべき重要な準備なので覚えておきましょう。
子どもの学校と教育環境(帯同家族向け)
家族を帯同する場合、子どもの教育環境は大きな課題の一つです。
タイのバンコク周辺には、日本の文部科学省の指導要領に基づいた「日本人学校」と、国際的なカリキュラムを採用した「インターナショナルスクール」という二つの主な選択肢があります。
日本人学校は日本の学校に近い生活を送れますが、インターナショナルスクールは学費が高額になる特徴があります。
どちらを選ぶかによって、住居の場所も変わってくるため、事前の情報収集と学校見学が不可欠です。
タイでの生活を徹底解説|まとめ
今回のように「タイはどんな国なのか」をあらためて見ていくと、日本とは異なる特徴が多々あることが分かります。
文化や生活スタイルをあらかじめ把握しておくと、タイ留学や移住後の生活をイメージしやすくなり、スムーズに準備を進めることができるでしょう。
タイでの駐在員生活を成功させるポイントは、「多様な文化を受け入れる柔軟性」と、「事前の準備」にかかっています。
特に住居の選定やビザ、医療保険の手続きは、安心してビジネスに取り組むための土台となるため、はやめに対応をすることをお勧めします。
ディアライフでは、タイでの快適な生活をサポートする物件情報やタイでの駐在生活に関するトピックスを多数ご紹介しています。タイへの渡航前に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。




